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佐山税理士事務所~税理士便り~

ごあいさつ

 9月に入りました。朝夕の空気にかすかな秋の気配を感じることもありますが、日中は依然として厳しい暑さが続いております。本来であれば、秋風が心地よく感じられる季節を迎える頃ですが、今年はまだまだ残暑というより猛暑、と言ったほうがふさわしい日々ですね。

このような気候の中では、室内であっても油断はできません。外出時の水分・塩分補給はもちろん、室内でも適切に冷房を使用し、こまめに休養をとるなど、引き続き無理のない過ごし方を心がけていただければと思います。皆様が健やかに9月をお過ごしいただけるよう、どうかご自愛ください。

来月には少しでも秋らしい爽やかな日々が訪れることを願いつつ、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げております。

 


それでは、今月の佐山税理士事務所のおたよりをお届けいたします。

                 2025年9月 川口市 の 佐山直人税理士事務所
                       佐山直人

9月号の目次

・2025年9月の税務事項について

・親子の間での使用貸借について

 

2025年9月の税務事項について

9/10
・8月分の源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

9/30
・7月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
・1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
・法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
・1月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
・消費税の年税額が400万円超である1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
・消費税の年税額が4,800万円超である6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

 

親子の間での使用貸借について

■親子の間での土地の貸し借り

親子の間で土地の貸し借りをするという状況は、実務上とてもよく見られます。特に「親が所有している土地に子どもが家を建てる」というケースや
「親が地主から借りている土地を子どもが自宅用に利用する」といったパターンは典型例です。こうしたケースは一見すると単純に見えますが、
税務上は思わぬ課税のリスクが潜んでいます。ここでは具体的な事例を交えながら、使用貸借の仕組み、贈与税や相続税の関係について丁寧に解説していこうと思います。

事例① 親の土地に子供が家を建てるケース

たとえば、地方都市に土地を持つ両親がいて、その土地に長男が住宅を建てるとしましょう。このとき、通常であれば土地を貸している親に対して子ども(借主)は地代を支払います。
さらに地域や契約習慣によっては権利金という形でまとまった一時金を支払うケースもあります。これが不動産の世界でいう「借地権」の設定にあたり、借地権は市場で売買できる
資産価値を有するものです。

しかし、親子間の場合ではどうでしょうか。多くの場合、親は子どもに「うちの土地なんだから、地代なんかとらないよ」と言うのが自然で、実際に地代や権利金を受け取らないのが
一般的なように思われます。つまり子どもは親から無償で土地を借りることになります。このように、対価を払わずに土地を借りる形態を「土地の使用貸借」と呼びます。

ここで一つ疑問が生じます。「土地をただで使えて家を建てられたわけだから、子供はある意味経済的利益をえているともいえる。これは贈与になるのでは?」というものです。
しかし、使用貸借による土地利用の権利は税務上は基本通達において「財産価値なし」として扱われるため、借地権相当額が贈与税の対象になることはありません。
したがって、安心して家を建てることができるのです。

ただし注意すべきは、親が亡くなった後、土地を相続する際の評価方法です。もしその土地を第三者に貸していれば「貸宅地」として評価額が減額されます。ところが子ども自身が
利用している場合、その土地は「自用地」、つまり貸宅地ではなく通常の評価をされ、相続税の課税対象額は大きくなってしまいます。結果的に、贈与税はかからなくても、将来の相続税額が
重くなる可能性があるという点に留意すべきです。

事例② 親が借りている土地に子供が家を建てるケース

次にもうひとつの典型例を見てみましょう。親自身が地主に地代を払って借りている土地(借地)があるとします。この土地に、子供が住宅を建てる場合、地代はすでに親が
支払っているので、普通は次男が追加的に地主へお金を払うことはありません。結果的に、子供は親を介して借地権を無償で使わせてもらう形になります。
これが「借地権の使用貸借」です。
ただし、このケースはひとつリスクがあります。もし税務署が「これは単なる使用貸借ではなく、実質的には借地権を子供に贈与したものではないか」と判断した場合、
借地権相当額について贈与税を課される可能性があるのです。借地権には明確な計算価額が存在するため、もし課税されれば非常に高額なものになりかねません。
このリスクを避けるためには、「借地権の使用貸借に関する確認書」を作成して、税務署に提出することが効果的です。この確認書は、地主・親(借地人)・子(使用者)の三者連名で
「借地権は贈与ではなく無償で使用するのを単に認めただけである」と明記するものです。この書類があれば、のちのち税務署から問題視されるリスクを大幅に下げることができます。
そしてやはりここでも、相続時には借地権が親の財産として課税対象になります。その評価は、第三者に貸している場合の借地権と異なり、親の借地権を財産として引き継ぐ、つまり
「親が持っていた借地権部分の価値が相続財産」として評価額が決定されるため、結果として相続税が重くなる傾向にあるように思われます。

■実例から分かるポイント

この2つの事例から分かるように、親子間の土地の貸し借りは「贈与税はかからないが、相続税に影響する」というのが大きな特徴です。
使用貸借であれば、借地権相当額はゼロ評価 → 贈与税なし
しかし、将来相続時には「自用地」や「自分で使用している借地権」として評価される → 他人に貸していた場合より相続税額が大きくなる可能性がある
(ただし建てた家に親と同居していた場合等は小規模宅地等の特例 等の適用があって税額を抑えられるケースもあり)
また、借地権の場合に関しては形式を整えておかないと、税務署から贈与と判断されるリスクがあるため、「確認書」の作成が重要です。

■まとめ

親子間での土地の貸し借りは、家族だからこそ「無償でいいよ」となりやすいものですが、その分、税務上の取り扱いに誤解が多い分野です。
贈与税は免れることが多い一方で、相続税の場面では評価方法により課税額が大きく跳ね上がる可能性があります。
親の土地に家を建てる、あるいは親の借地を利用するという方は、必ず「将来の相続」まで見据えた対策を行うことが大切です。
特に複数の相続人がいる場合には、確認書や契約書を整備しておくことが、後々の争いを防ぐ最善策となります。

 

 

税理士のつぶやき

親子だから、普段は意識もしていない事かもしれませんが、頭の片隅で考えておくとよいかもしれませんね。

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