佐山税理士事務所～税理士便り～

■ふるさと納税の申告が簡単に？
　その人の所得等によって決まる上限までの寄附であれば、実質的負担2,000円で返礼品が貰えるふるさと納税。寄附件数は令和元年分で約2,334万件、金額では約4,875億円と、すでに一般的な存在となっている制度といえるのではないでしょうか。
寄附をする事によって、後から税金が減るかたちになるのですが、寄附をしたからといって自動的に税金が減るわけではありません。確定申告をするか、ワンストップ特例の申請（５自治体以内への寄附であり、他に確定申告を要する必要のない場合に限る）をしなければ意味がありません。サラリーマン収入のみの人であれば、今は電子申告があるため、申告書作成の手間も軽減されており、提出も家で行えるため、簡単になってきています。これに加えて、今年分の申告からは「寄附金控除に関する証明書」の発行により、さらに申告が簡素化される見込みとなっています。
 

■生命保険料控除と同じような簡素化
ふるさと納税を扱っている特定事業者が出す年間寄附額を記した「寄附金控除に関する証明書」は、寄附をした人に対して電子データ又は郵送等で提供されます。
寄附をした人は、データ等を国税庁の確定申告作成コーナーで読み込む事で、これまでいちいち１件１件入力していた寄附情報が組み込まれるため、手間がはぶけます。
これは、去年の申告から導入された生命保険料の控除証明書の電子データ交付と同じやり方です。
　また、電子申告ではなく、従来の紙の申告書で提出する場合であっても、今までは寄附金受領書をすべて添付して提出していましたが、今年からは電子データを国税庁のQRコード付証明書作成システムで読み込む事によって生成される書類を提出する形をとることができますので、紙申告書でもいくぶん簡素になるといえるのかもしれません。

■事業者が特定事業者認定されているかに留意を
「寄附金控除に関する証明書」を発行できる『特定事業者』は、
地方公共団体と特定寄附金の仲介に関する契約を締結している事業者であり、
ふるさと納税でよく見るポータルサイトを運営しているような団体となりますが、
規模が小さい団体の場合は、まだ特定事業者か確認できないところもあるかもしれません。
前述した申告の簡素化をしたい場合は、お使いのポータルサイトの運営者が特定事業者に
認定されているかについて確認するようにしましょう。
 

(参考)
2021.3.31時点での特定事業者（国税庁HPより）

・ふるなび（㈱アイモバイル）
・楽天ふるさと納税（楽天グループ㈱）
・さとふる（㈱さとふる）
・ふるさとチョイス（㈱トラストバンク）
・ふるさとパレット（東急㈱）
・ふるさとぷらす（㈱エスツー）
・ふるさとプレミアム（㈱ユニメディア）
・ANAのふるさと納税（全日本空輸㈱）
・セゾンのふるさと納税（㈱クレディセゾン）